2017年1月17日火曜日

アフターレビュー:【2a】予選"Room Masters"(前編)

設問2-1:予選の問題について

【質問】

予選で出題された問題はいかがでしたか?
※自由回答

【結果】

「とてもよかった。事前に提示されたコンセプトに相違なし。」
「節によって自分に合っていたり合わなかったりしたような気もするが、聴いていてとても楽しい問題群だった」
「基本問題・新作・難問のバランスが良く、問題群としてとても優れていると思いました。」
「予想以上に良かったです。ベタもあれば、難しめ、柔らか目の問題もあり、出るジャンルの範囲も広く楽しい問題群でした。」
「(コンセプトを損なわない範囲で)こだわりを感じる問題群で、非常に楽しめた。セットごとに傾向のばらつきを感じなかった点もすぐれていると思う。1問目の趣向も予想の斜め上を行くもので、唸らされた。」
「セットごとのムラはありましたが、内容については非常に楽しかったです。練られていました。」
「押し頃のように見えて一筋縄ではいかない、面白い問題群でした。」
「指だけで決まる問題ではなく、納得感が強い問題群でした。」
「一般的な大会の2R等に比べて難易度の高い問題に感じましたが、出題することに疑問を感じるような問題は無く、問題選定の質の高さを感じました。」
「問題集知識だけではなく、実際にその物事に精通していないと答えられないような問題も多く存在し、非常に楽しむことができました。」
「簡単すぎず、その分野が得意な人ならちゃんと正解できる、おそらく多くの参加者が数問どや正解をできる、一つの完成された問題群だと感じた。予選の問題群に対して(基本的に)全参加者が全問題に解答権があることも、この問題群に対するアプローチとして相乗効果がある。「全参加者と対戦する」というコンセプトよりも、この問題群に対して程よくどや正解しやすい人数でクイズできたことが結果として好印象だった。」
(ほか多数)

【考察】

問題の歯ごたえ(難易度や扱っている題材の深さ)を感じたという声が多かったです。私含め、皆さん「出したいと思う渾身の問題」を提出していたと思います。
バランスについては、幅広いジャンルを扱っていることを評価する意見が多い一方で、節ごとのムラを感じたという声もいくつかありました。

私が最初に打ち立てた問題難易度は、「40問中スルーは多くても10問程度」でした。それに従い、問題管轄担当のスタッフが問題セットをまとめてくれました。
実際の試合では、各節の平均スルー数は以下の通りとなりました。

第1節: 6.0スルー(最大: 8@視聴覚室/最小:4@録音編集室2)
第2節:11.5スルー(最大:15@第1創作室/最小:7@視聴覚室)
第3節:10.1スルー(最大:13@録音編集室2/最小:8@第3学習室)
第4節: 7.5スルー(最大:14@第3学習室/最小:5@第7学習室&録音編集室2)
第5節: 7.6スルー(最大:10@第7学習室&第3学習室/最小:4@第4学習室)
第6節: 9.5スルー(最大:13@第7学習室/最小:7@視聴覚室)
第7節: 9.5スルー(最大:11@第3学習室/最小:9@視聴覚室&料理講習室&第1創作室&録音編集室2)
第8節: 7.9スルー(最大:12@録音編集室2/最小:3@視聴覚室)

第1節はかなり正解が出るセットでしたが、それ以降は少しハードな問題が続いたようです。その結果、続く第2・3節は平均10問以上のスルーが出てしまいました。また、「1試合7人しかいない」「ペーパークイズによる選抜がない」という点にも起因すると考えられます。
後述の「設問2-3」でも問題数40問が少ないと感じた方が少なくなかったですが、スルーが出るような問題が多かったからかもしれません。


設問2-2:予選のクイズルールについて

【質問】

当初の案では、第1節から第8節まで、合計7種類のクイズ形式を用意しておりましたが、参加者・スタッフ双方にとってのルール理解のしやすさを優先し、本番では8節全て同じルールで行いました。これについてはいかがでしたか?
※以下の5つの中から回答
「全て同じルールでよい」
「ルールにバリエーションがあってもいいと思う(2種類)」
「ルールにバリエーションがあってもいいと思う(3~4種類)」
「ルールにバリエーションがあってもいいと思う(5~8種類)」
「その他」

【結果】

全て同じ:34票[89.5%]
2種類:2票[5.3%]
3~4種類:1票[2.6%]
5~8種類:0票[0%]
その他:1票[2.6%]

<自由回答>
「トビは最下位になってしまうので、2×をつけるとなかなか勝負に絡めなくなってしまった。トビの場合でも解答権剥奪のみにして、(〇の数-×の数)で判定した方が良いと感じました(地蔵の人よりも6〇3×の人の順位が下なのは違和感を感じます)。」
「大会参加者全員と対戦するコンセプトであるなら、同じルールにするべきだと考えます。同じ対戦相手でもルールによって戦いやすさが変わるので、もしこのルールだったらと思ってしまうと、モヤモヤする気持ちになります。」
「「全参加者と一度ずつ対戦する」というコンセプトである以上、ルールは統一されなければならない。毎セットルールを変更するというのはそれはそれで好きだが、今回のコンセプトには合致しない。」
「今回のシンプルさがちょうどよいと思いました。あまり規模を大きくすると負担の大きさが指数関数的に上昇していくので、次回を行うとしても、この規模にとどめるのも一つの判断かと思います。」

【考察】

大多数の方が、「8試合同じルールでよい」と回答しました。私も実際にやってみて、これは同じルールでなければならないと感じました。
当初の案では、実は以下の構成でした。

第1節:7○3×
第2節:Inflation(その人のn回目の解答において、正解+n/誤答-n。15p先取。誤答3回で失格)
第3節:5○1×
第4節:Hat Trick(2連答3回or3連答1回で勝ち抜け。誤答3回で失格)
第5節:Up Down(6p先取)
第6節:6by5
第7節:5○5×
第8節:7○3×(第1節と同じルール)

まず「8試合もおんなじルールだと飽きちゃうかなぁ?」という考えを出発点とし、「ホワイトボード上で処理できるルール」というのを念頭に置きながらこれらのルールを一通り揃えました(例えば、「*回休み」やアタサバのような形式は、何度も書き直したりするので不採用)。正直、この段階では「試合によってルールが違うのは不公平だ」というのはあまり気にしていませんでした。

しかしその後、スタッフおよび参加者の全員に、これらのルール全てを共有するのは無謀であると悟り、全節同じルールに変えました。飽きの問題についても、「ルール一緒だけど相手は違うから飽きないでしょ」っていう意見が他のスタッフから出たので。

その後、「7○3×か5○3×か5○2×か、どれにしよう?」と悩みまして、
5○3×・・・勝ち抜け正解数が少ない(=抜けやすい)けど、許容誤答回数がちょっと多すぎる印象
5○2×・・・勝ち抜け正解数が少ない(=抜けやすい)けど、許容誤答回数が少なすぎる印象
7○3×・・・許容誤答回数に余裕があるけど、勝ち抜け正解数がちょっと多い(=抜けにくい)印象
最終的に説明不要の7○3×にしました。

○×数の話題は次の設問で語るとして、順位判定について少し言っておこうと思います。当大会では「新人王/早押王」と違い、「3×失格したら即最下位」というルールを設けました。これはスポーツのフライングやサッカーのイエローカードと同じで、「たとえ高いスコアを残せる能力を持っていても、ミスが多い人は勝者として認めるべきではない」という考え方に基づいたものです。実際の試合では実力者の意外な3×失格がいくつかありましたが、以上のような思想に基づいたものです。ご了承ください。


設問2-3:予選の試合ボリュームについて

【質問】

7人対戦で「40問or12分限定、7問正解で勝ち抜け、3回誤答で失格」という試合ボリュームについて、どう思いますか?
(参考:56試合中の勝ち抜け人数分布→0人:5試合/1人:25試合/2人:22試合/3人:4試合
トビ人数分布→0人:34試合、1人:19試合、2人:3試合)
※以下の4要素
「限定問題数=40問」
「時間=12分」
「勝ち抜け条件=7問正解」
「失格条件=3回誤答」

のそれぞれについて、以下の5段階から回答

「多すぎる」
「やや多く感じる」
「ちょうどいい」
「やや少なく感じる」
「少なすぎる」

【結果】

・限定問題数=40問
多すぎる:0票[0%]
やや多く感じる:0票[0%]
ちょうどいい:27票[71.1%]
やや少なく感じる:11票[28.9%]
少なすぎる:0票[0%]

・時間=12分
多すぎる:0票[0%]
やや多く感じる:6票[15.8%]
ちょうどいい:25票[65.8%]
やや少なく感じる:7票[18.4%]
少なすぎる:0票[0%]

・勝ち抜け条件=7問正解
多すぎる:0票[0%]
やや多く感じる:3票[7.9%]
ちょうどいい:35票[92.1%]
やや少なく感じる:0票[0%]
少なすぎる:0票[0%]

・失格条件=3回誤答
多すぎる:0票[0%]
やや多く感じる:1票[2.6%]
ちょうどいい:37票[97.4%]
やや少なく感じる:0票[0%]
少なすぎる:0票[0%]

<自由回答>
「割と予選のシステムは初めてとは思えないほど、洗練された形式だと思います。しいて、言うならば誰も抜けず終わったセットが何回かあったので問題は40より50の方がいいかなと思いました。」
「誤答はもっと厳しくすべき(7○なら2×で十分)という考えだが、今回の問題群であれば3×という緩いルールで行うことにより、気軽に押しに行けるようにした方がよかった。」
「5○3×でも良かったかと思います。長くなればなるほど正解機会がどうしても上位層に偏りがちになるので。」

【考察】

「勝ち抜け条件」「失格条件」については、概ね「ちょうどいい」という意見が多い一方で、「限定問題数」については「ちょうどいい」と「やや少なく感じる」で二分しました。先述の通り、スルーが多かったのが一因であると考えております。7人中2~3人が勝ち抜ける展開が理想であると考えていたのですが、実際は1~2人がほとんどでした。次回の予選は、もう少し難易度を抑えるか、問題数を若干増やして正解を多く出すか、難易度は変えず5○勝ち抜けにするか、ところです(ちなみに2-2で述べた"まだ予選のルールが7種類もあった頃"は、限定問題数・試合時間は50問・15分でしたが、夏ぐらいに己の問題作成力に限界が見えてきたので40問にしました)。

「制限時間」については、「ちょうどいい」が一番多い一方で、「やや少なく感じる」と「やや多く感じる」の両方が一定数の票を集めました。制限時間は、(スタッフからの報告を聞く限りでは)ある1試合を除いて全て時間内に40問を出し切りました。


設問2-4:予選におけるスタッフについて

【質問】

予選の各部屋で進行・問読みを担当したスタッフはいかがでしたか?
※自由回答

【結果】

「特に不手際と感じることもなく良かったと思います」
「どのスタッフもしっかりと練習していて、特に気になる所はなかったと思います。開始まで時間があって場を持たせようとしてたのがちょっと大変そうでしたが。」
「意外と二人で回せるもんなのだなあと思いました」
「みなさん真摯に進行されていたと思います。一部、自己紹介をされていないスタッフの方がいた(たぶん忘れていただけと思いますが)ので、ぜひお名前も知りたかった。」
「すべて同じ部屋でクイズをしたが、競技時間の前後を含め、まったくストレスなく過ごすことができた。ありがとうございました。」
「少しばらつきがあったように思います。」
「問い読みさんのレベルも問題なく、どこの部屋でもいわゆる「ストレス」を感じずに、ニコニコとプレイ出来ました。スタッフさんのケアレスミスを防ぐチェック表らしきものを使ったと思われますが、本当に上手く作ったなぁと感心しきりでした。」
(ほか多数)

【考察】

進行に関しては特に問題ないようでした。「新人王/早押王」では各部屋「司会」「問読み」「チェック・タイムキーパー」「得点記入係(複数名)」と全部で4つの役職がありますが、それを各部屋たった2人に託しました(「司会得点記入タイムキーパー」と「問読みチェック記録係」)。どの部屋のスタッフもトラブルなく進行してくれたようで安心しました。

一方で、ある問読みスタッフに対する指摘が少なからずありました。
今回は、『新人王/早押王』のリハーサルのように、問読みが1人ずつスタッフ全員の前で出題するという機会を本番前に設けることができませんでした。
そのため、各問い読み担当スタッフの癖を把握せず、読むスピードや抑揚などを統一的に指導させないままぶっつけ本番でやらせてしまったのは少し問題があったかなと思います。
後日各部屋の音声を聞いたのですが、問読みの仕方はもちろん、進行スピードまで各部屋異なっておりました。
特に、私の担当した視聴覚室では、だいぶテンポが早いと感じた方もいたのではないでしょうか。なるべく12分以内に40問すべてを使うつもりで進行したら、全節で2分ぐらい余ってしまいました…。後で録音したものを聞いてみると、「新人王/早押王」の「アタック25分」並のテンポでした。次回は「誰々、○/×。」の後、1拍開けるように心がけます。


設問2-5:休憩時間

【質問】

節と節のインターバルは10分、第4節と第5節の休憩時間は60分でしたが、それぞれいかがでしたか?
※「10分のインターバル」「60分の休憩」のそれぞれについて、以下の5段階から回答
「長すぎる」
「少し長い」
「ちょうどいい」
「少し短い」
「短すぎる」

【結果】

・10分のインターバル
長すぎる:1票[2.6%]
少し長い:13票[34.2%]
ちょうどいい:24票[63.2%]
少し短い:0票[0%]
短すぎる:0票[0%]

・60分の休憩
長すぎる:0票[0%]
少し長い:5票[13.2%]
ちょうどいい:29票[76.3%]
少し短い:4票[10.5%]
短すぎる:0票[0%]

<自由回答>
「移動時間に無理がなく余裕を持つことができた。」
「予選は余裕を持っての進行でいいと思います。総当たりだからこそ、参加者同士の会話が色々とできたことが良かったです。」
「結果的にはややサクサク進みすぎで時間を持て余したかなとも感じましたが、大会運営のバッファとしてはまあ適切ではないでしょうか。」
「予選は各セットでクイズが始まるまでに少し時間的余裕があったので、参加者同士の簡単な自己紹介をする流れを作っても良いかなと感じました。」
「休憩時間が長い旨回答しましたが、その間に参加者・スタッフの皆さんとの会話の機会を持つことができ、今までにない体験でした。」
「タイムスケジュールはやや巻き気味だったが、押してゆとりがない進行になるより遙かによかった。(「しんはや」はかなりタイトで気持ちの準備が整わないところが。)」
「たくさんの問題に触れる楽しみもありましたが、予選のクイズを始める前後に参加者同士と問読み・司会者とコミュニケーションが取れるのが大きな魅力だと思いました。部屋の中は10人に満たないので、気楽に話をしやすいです。他の大会では友人以外とはそれほど話をすることはありませんので、スタッフと参加者の交流を楽しめることもアピールしていいのでないかと思います。」

【考察】

どちらも「ちょうどいい」が多数派を占めておりましたが、試合間のインターバルは長いと感じる方も少なくないという結果でした。
タイムテーブルは、今回が初めての回ということで、トラブルが起きた場合に備えて、また、11F~4Fという大きな移動があり得ることから、「試合12分→結果整理8分→部屋移動等10分」という1節あたり30分の構成にしました。しかし、実際やってみるとトラブルはあまり起きず、試合後の時間がとても余ってしまいました。その分感想戦が盛り上がりましたし、時間が押すよりはマシでしょうが、少し緊張感に欠けていた感じは否めませんでした。次回は、1節あたり20~25分ずつ(試合12分+結果整理3~5分+部屋移動5~10分)でもいいかもしれません。

ただ、皆様の回答を見てみますと、この時間を「参加者同士の交流を深める時間」として活用できるのではないかという意見が多く寄せられました。この後の設問で「クイズ初級者向けの回」の構想が持ち上がりますが、こういう参加者同士の交流という面から見ても、この大会はそういった層に向けて開くとよいのかもしれません。

ちなみに『新人王/早押王』の場合は「試合15(20)分→結果整理5分→部屋移動等5分」なのですが、当大会は『新人王/早押王』と違いサドンデスがありませんので、予期せぬ時間延長がないという点でも、時間的余裕が生み出されたと考えられます。

長くなってしまったので予選の続きは次回。

0 件のコメント:

コメントを投稿